蔵干とは — 地支に隠れた天干(余気・中気・正気)をやさしく解説
蔵干(ぞうかん)は、地支一文字のなかに隠れている天干たちのことです。子(ね)・丑(うし)・寅(とら)のように表に見える地(つち)の文字のなかには、たいてい二つか三つの天干の気が時期の順に収まっていて、表の文字だけでは見えない内面の結(きめ)や潜在力を映し出します。グィレダンはこの蔵干を、標準的な命理の定まった表のまま決定論的に計算します。良し悪しを分ける点数ではなく、一文字のなかに重なった気の層を読む、自己理解の参考用です。
なぜ蔵干は「隠れた天干」と呼ばれるのですか?
天干は四柱の上に現れる天の気で、地支は下にある地の文字ですが、その地支のなかにも天干の気が時期ごとに重なって収まっています。表向きは一文字に見えても、内では二つか三つの天干が入れ替わりながら働いていると見るのです。だから「地支のなかに蔵(かく)された天干(干)」という意味で、蔵干と呼びます。
この隠れた気は、ふつう**余気(よき)・中気(ちゅうき)・正気(せいき)の三つの座に分かれます。ひと月のなかで、前の季節から残った気(余気)から始まり、中ほどで混じる気(中気)を経て、その地支を代表する気(正気)へと重みが移っていくと見ます。影響力は余気 → 中気 → 正気の順に大きくなり、もっとも比重の大きい正気を、とくに本気(ほんき)**とも呼びます。天干と地支の基本からつかみたいなら、天干ガイドと地支ガイドを先に見ると、蔵干がずっと読みやすくなります。
十二支の蔵干はどうなっていますか?
グィレダンのエンジンが用いる標準的な蔵干の表は、次のとおりです。並んでいる順序がそのまま余気・中気・正気の順で、いちばん後ろ(正気)がその地支の本気です。
- 子(ね): 壬・癸 — 本気 癸
- 丑(うし): 癸・辛・己 — 本気 己
- 寅(とら): 戊・丙・甲 — 本気 甲
- 卯(う): 甲・乙 — 本気 乙
- 辰(たつ): 乙・癸・戊 — 本気 戊
- 巳(み): 戊・庚・丙 — 本気 丙
- 午(うま): 丙・己・丁 — 本気 丁
- 未(ひつじ): 丁・乙・己 — 本気 己
- 申(さる): 戊・壬・庚 — 本気 庚
- 酉(とり): 庚・辛 — 本気 辛
- 戌(いぬ): 辛・丁・戊 — 本気 戊
- 亥(い): 戊・甲・壬 — 本気 壬
子・卯・酉のように二つだけを含む地支もあれば、寅・申・巳・亥のように三つの気がはっきり分かれる地支もあります。辰・戌・丑・未のような土の文字(庫支〈こし〉)は、ほかの季節の気までを蔵のように取り込んで収める座と見ます。こうした結は、地支の合と冲や神殺といった手がかりとあわせて読むと、一つの地支がなぜそう動くのかが、より鮮明になります。
蔵干は四柱の解釈でどう使われますか?
蔵干はただ暗記する表ではなく、通変星(十神)を計算する実際の基準になります。グィレダンは各地支の本気(正気)を基準にその地支の十神(通変星)を定め、同時に蔵干のなかに入った天干それぞれにも、日干との関係で十神をつけて命式に表示します。だから表の文字が同じ地支でも、そのなかの隠れた天干の構成によって、読まれる結が変わります。
蔵干のもう一つの使いどころが、**通根(つうこん)**です。四柱の上にある天干が、下の地支の蔵干のなかに自分と同じ五行を持っていれば、その天干が地に根を下ろしたと見て「通根した」と言います。同じ五行が正気(本気)にあれば深く固い強根(きょうこん)、余気・中気だけにあれば浅い弱根(じゃっこん)、どこにもなければ根のない虚(きょ)と見ます。グィレダンのエンジンもこの通根を決定論的に見て、同じ天干でも地支に根があるかどうかで力の重みを違えて読みます。とくに日干が通根しているかは、身強・身弱を見きわめる大切な手がかりになります。
こうして蔵干を見ると、天干には現れないけれど地支のなかに潜んだ気を、すくい上げることができます。たとえば四柱の天干には見えない五行が、どこかの地支の蔵干に隠れていれば、その気が内面やある時期に働くと参考にする、という具合です。ただし蔵干は命式を立体的に読む補助の手がかりなので、この一層だけを見て人を断定することはありません。全体をどう編んで見るかは、命式の読み方で解いています。
よくある質問
蔵干の余気・中気・正気は、どう違いますか? 一つの地支のなかで気が働く順序であり、重みの違いです。余気(よき)は前の季節から越してきた残りの気、中気(ちゅうき)は中ほどで混じる気、正気(せいき)はその地支を代表する、もっとも比重の大きい気です。影響力は余気から正気へ向かうほど大きくなり、正気を本気(ほんき)とも呼びます。その地支の五行の性質や十神を定めるときは、この本気を基準にします。
蔵干は人によって違いますか? 地支ごとの蔵干の構成そのものは、標準的な命理の定まった表なので、誰にとっても同じです。子(ね)の蔵干は壬・癸と定まっていて、これは万年暦で四柱を出した誰であっても同じです。人によって変わるのは「どの地支を持っているか」と「日干が何であるために、その蔵干がどの十神として読まれるか」です。まぎらわしい用語は、四柱推命の用語辞典で調べられます。そして四柱推命そのものが定められた運命を教える道具ではなく、生まれ持った気質を理解するための参考資料だという点も、あわせて覚えておいてください。
四柱推命の蔵干は吉凶を断定する占いではなく、地支のなかに重なった気の層を理解する参考用です。